空身で行ったり来たりしないのよ
「空身で行ったり来たりしないのよ」というのが母の口ぐせでした。
鈴木登紀子氏の著書「昔のしつけは素晴らしい」の一文です。有名な料理家研究家で「ばあば」の愛称で多くのお料理番組に出てみえました。「空身(からみ)」というのは、手に何も持たないということです。ひとつの用事をする時に、さらにもうひとつできることはないかと、あたりをさっと見回す気働きができるように、というしつけだと思います。「言われたことだけをする」という人が増えたようですが、小さい頃からこういうしつけをしていれば、もうひとつ気持ちの良い行いができそうですね。いつもこの言葉が、頭の隅に残っています。