毎月発行 禅源寺通信

No.80

母の遺言

死とはなくなってしまうことではない

死とはひとつになること

母の亡骸は母のものだが

母の死は残された私のものだ

認知症のお母様を看取られた藤川幸之助氏の

「母の遺言」という詩の一部です。

お母様が亡くなられても、お母様が自分の中に残し刻んでくれたこの「私」が、どう生きていくのか、ということが命を繋ぐことだと藤川氏は語っています。

忙しい毎日の中で、亡き人を改めて思い出すことができるように、仏教徒は、法事という素晴らしい機会を作ってきました。法事は、亡き人を想い、供養をすることで私の中に生きている故人を再確認する大切な場だと思います。法事をきちんと行い、自分の命を大切に過ごしていきましょう。