今が一番、幸せ
「仏道は、欲しいものすべてを手にした者が、
知る不幸の中から生まれてきたもの」
小池龍之介氏の「貧乏入門」の一節です。お釈迦様は、王子として生まれ、二十九歳までにあらゆる欲望を満たした方でした。だからこそ、どれを満たしても幸福にはなれなかったということを、いやというほど知っていたのです。その中で、編み出したメンタルトレーニング法が仏道だったのです。「足るを知る」「今、ここ」といった考え方が、幸せを感じることなのです。この一瞬一瞬の積み重ねが、人生です。笑っていても、泣いていても、怒っていても、一瞬です。
戦後、日本は本当に豊かになりました。昭和、平成、令和と、確実に便利で豊かになっているのに、「満たされない」と、もがき苦しんでいる人が、たくさんいます。「今が一番、幸せ」と思って暮らせることの大切さ、そう思えるように自分をコントロールしていくことの大切さを、もう一度、思い出してみましょう。四月八日は、お釈迦様のお誕生日です。