毎月発行 禅源寺通信

No.29

鬱とはエネルギーである

「鬱(うつ)とはエネルギーである。

鬱を抱いて生きることは大事なことだ。」

 

作家 五木寛之氏「養生のヒント」の一節です。辞書を引くと「鬱」とは、「草木が勢いよく繁る様」つまりエネルギーがあって生命力があるのが、「鬱」なのです。

鬱と聞くと無気力な人を想像しますが、全く逆でした。うつ状態で、心の病気では、と言われている人は、自分の中にあるエネルギーが外に出せず、内で溜まってしまうことで、社会に適応しにくくなっているだけなのです。とかく私達は「鬱」は悪いものだと思わされている傾向があるので、「鬱」になりがちな自分を感じると「こんなことではいけない」と否定しようとしてしまいます。

でも、人は誰しも「鬱」を抱えているものなのだと考えて、受け入れていけば、一気に心が軽くなりませんか?厄介かもしれませんが、胸を張って「鬱」を抱いて、生きていきましょう。