毎月発行 禅源寺通信

No.10

葬式仏教

今の仏教は「葬式仏教」だと言われることがあります。では、いつから「葬式仏教」になったのでしょうか。地方の各村や町にあるお寺は、鎌倉仏教の流れを汲んでいますが、実は室町後期から江戸前期に建てられたものがほとんどです。神社もそうです。各地に村ができ様々なしきたりが決められました。その中で神社は収穫を祈る場所、お寺は亡き人を弔い供養する場所とされました。

僧侶は死者のたたりがないようにお経を唱え、残された家族の悲しみを癒すために、供養を行ってきました。今の葬儀の形を完成させたのは禅宗寺院でした。それを各宗派がアレンジしたものが、今のお葬式です。こうしてもともと葬儀を施行するために今の寺院は造られ先祖を敬う人々の先導者としての使命を果たしてきたのです。

ただ、最近はそういうお寺の使命をないがしろにし、「家族葬」という言葉で簡単に済ませれば良いと誘導する業者も出てきました。しかし、後になっていろいろトラブルが起き後悔される方がでてきているのも事実です。

人を弔う心はいつまでも大事にしていかなくてはいけない日本人の誇りです。周りに踊らされることなく,信心深くありたいものです。また、後継ぎがなく今後に不安のある方は是非なんでもご相談ください。ご一緒に考えさせていただきます。